連載
UAにまつわるモノ
ユナイテッドアローズのスタッフ、また所縁のある方々に、“UAにまつわる思い出の一品”を紹介していただきます。第28回は、ノンネイティブ・デザイナーの藤井 隆行さんです。
Photo : Yohei Miyamoto
ZINTALAのレースアップブーツ
UNITED ARROWS, MENS
ヨーロッパの繊細な作りとアメリカのデザインが融合。
「ドレスシューズを作るイタリアの高級ブランドがバケッタレザーを使い、〈ホワイツブーツ〉のようなゴリゴリのワークブーツを作ったことに衝撃を受けました。ただ、アイテムそのものだけではなく値段も衝撃的で(笑)、たしか23万円くらいしたような気がします。まだ20代後半だったためなかなか踏み出せず、セールになるのを待って、原宿にあったブルーレーベルストアで購入しました。いまだに持っている雑誌『POPEYE(1993年10月号)』のインタビューで栗野宏文さんが、『デザイナーズのアクをとるにはアメリカ製のものが役に立つ』と仰っていたのですが、その精神はいまでもぼくに根付いていて、やはりデザインする上でも買い物をする上でもこのバランス感は大事にしています。そして、ユナイテッドアローズの商品にはどこかその感性が潜んでいて、アメリカのアイテムがすごく上品に見えたり、ヨーロッパのアイテムがラフに見えたり。イタリアのハイレベルで上品な作りで見た目はアメリカンというこのブーツにこそ、すべてが注ぎ込まれているように思います」
PROFILE
藤井 隆行
ノンネイティブ・デザイナー
1976年生まれ、奈良県出身。武蔵野美術大学を中退後、セレクトショップで経験を積み、2001年よりデザイナーに就任。以来、独創的で洗練されたモノづくりを展開、ノンネイティブの世界観を確立してきた。