ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ヒト

2021.08.12 THU.

わたしたちの行動が未来を変える――。
「サステナブルな暮らし、わたしの場合」。

ここ数年で一気にわたしたちのライフスタイルに浸透しはじめているのが「サステナビリティ」という考え方です。一歩先行く人々は、日々の暮らしの中でどんなアクションを起こしているのでしょうか。ユナイテッドアローズのスタッフから、美容家、フローリストまで、さまざまな人々の個性豊かな取り組みをご紹介します。一方で、それらの行動が実際の地球環境にどのような影響を与えているのかも気になるところ。今回は環境省「ファッションと環境」タスクフォースの皆さんに、暮らしの行動の効果をエビデンスとともに教えてもらいました。ひとつひとつは小さなことでも、その積み重ねが地球と未来を確実に変えていきます。その一歩を一緒に踏み出してみませんか。

photo:Yuco Nakamura
text:Maho Honjo

家族を想い、地球を守る。田中家のある夏の1日の過ごし方。

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今回、そのサステナブルな暮らしを見せてくれたのは、田中 駿也さん、珠実さん夫妻。駿也さんは、表参道の「エイチ ビューティ&ユース」でショップスタッフとして働きながら、週に2日は本社へ出向き、プレス業務を行っているスタッフです。珠実さんは、「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」のバイヤーを経て、お子さんが産まれたことを機に現在育休中。家族が増えたことで自然に子どもの未来を考えるようになり、「サステナブルな暮らしとはなにかを考え、具体的にどんなことをすればいいのか」を意識するようになったのだとか。この夏に引っ越したばかりだという新居で、田中さん一家のある1日を追いながらその具体的なアプローチについて語ってもらいました。


洗濯回数を減らし、残り湯を使って水を節約。

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田中家の1日は、ルーティンとなる洗濯からスタート。そこでは気づかぬうちに大量の水を消費しています。衣類をまとめて洗う回数を減らす、エコモードや時短モードなどの節水機能を活用するなど、水の消費を減らす努力を惜しまないようにしたいもの。さらに珠実さんは、水の再利用を心掛けているのだそう。「子どもが小さいうちは、どうしても洗濯物が増えてしまいますよね。そこで考えたのが、お風呂の残り湯の活用。浴槽のお湯を翌朝の洗濯に使っているんです。また、洗剤や柔軟剤による水質汚染も気になるところ。子どもの肌への負担も考えて、洗濯洗剤は環境にも肌にもやさしいものにチェンジしました」。ほかにも、タオルの使う枚数を減らしたり肌着や下着は手洗いする、フリースや起毛素材の衣類はマイクロプラスチックファイバーの流出を防ぐために専用の洗濯ネットに入れて洗濯するなど、さらなるアプローチも。一度、日々の習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

Point!
定格容量(洗濯・脱水容量:6kg)の4割を入れて洗う場合と比較して、8割を入れて洗う回数を半分にした場合、年間で水道:16.75m3の削減に繋がります。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁
IUCN(国際自然保護連合)によれば、海に流れ出る一次マイクロプラスチックは年間約150万トンと推定され、そのうち約35%はポリエステルなどの化学繊維の洗濯に伴い流出しているとされています。(出典: IUCN(2017), Primary Microplastics in the Oceans

お気に入りのコーヒーを愛用のマイボトルに詰めて。

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最近街でよく見かけるようになった、マイボトルを持ち歩く人の姿。ペットボトルなどのプラスチックゴミを減らすことができるのはもちろん、その日の気分や体調に合ったドリンクを持参するのは、自身のフィジカルとメンタルを健やかに保つことにも繋がります。「ほかのスタッフがマイボトルを使っているのを見て、刺激されました」と話す駿也さんは、『Tarp to Tarp × Revomax × koti BEAUTY&YOUTH』の真空ボトルを愛用中。保温&保冷はもちろん、炭酸飲料も入れることのできる優秀アイテムです。出勤の日は、お気に入りのアイスコーヒーを入れて、業務の合間にほっとひと息つくのだそう。環境に配慮しながら、わたしたちの生活の質を格段に上げてくれる。そんな“マイボトル生活”、はじめない手はなさそうです。

Point!
日本で、指定ペットボトルをリサイクルせず使用した場合、資源の採掘から廃棄まででCO2の総排出量は3,668千トン。リサイクル使用した場合でも2,191千トンのCO2が排出されています。一人ひとりが意識して、マイボトルを利用し続けたり、ペットボトルを購入した際は、必ずリサイクルに出すだけでも、大量のCO2削減に繋がります。(2018年度 ペットボトルリサイクル推進協議会データ

ファッション感覚で、エコバッグ選びを楽しむ。

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さて、夕方になると、田中さん一家は家族揃って買い出しへ出掛けます。その際のマストアイテムが、エコバッグ。レジ袋を辞退することで、プラスチックゴミの削減に繋がります。「生鮮食品とそのほかの雑貨類とでバッグを分けるなど、買い物の用途によって何種類か持参することもあります。最近のエコバッグは、色、形、素材、そしてデザインまで本当にバリエーション豊か。さまざまなブランドから魅力的なものが多く出ているので、ファッションのコーディネートを考えるように、エコバッグを選ぶのが楽しいんです」と珠実さん。おしゃれの感性を研ぎ澄ますことが、地球を想うエコなアクションに…。サステナビリティのヒントは、暮らしの端々に満ちているのかもしれません。

Point!
プラスチックは軽くて丈夫なため、非常に便利な素材ですが、一方で、プラスチックゴミ問題や地球温暖化などの課題も抱えています。日本は、レジ袋有料化前までは、国民一人当たり1日1枚のレジ袋を使用しているといわれており、レジ袋を含むプラスチック容器包装の一人当たりの廃棄量は、主要な地域、国の中で日本が2番目に多いといわれています。2020年7月のレジ袋有料化を受け、プラスチックゴミ問題に対する関心は高まってきていますが、プラスチックゴミの削減には、一人ひとりの日々の意識がとても大切です。(出典:みんなで減らそうレジ袋チャレンジ

寝苦しい夜でも、室温は28℃をキープ。

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酷暑が続く日本の夏。寝苦しい夜はエアコンをつけるのが日常となりつつあります。ただ、エアコンによるCO2排出は地球温暖化の原因の一つであり、昨今の異常気象にも大きな影響を及ぼしています。幸いなことに田中家は、心地よい海風が抜けるので、基本的にエアコンは使わないようにしているそう。それでも、駿也さん曰く「日中のいちばん暑い時間帯や、猛暑日の夜は冷房をつける日も。そのときは、環境省が適正な室温の目安として推奨する28℃に保つことを心掛けています」とのこと。「天井には空気を攪拌するファンがついているので、エアコンと兼用して、電力の消費を抑えるようにしています」とは、駿也さんの弁。冷感効果のある寝具を選んだり扇風機やサーキュレーターを活用するなど、エアコンに頼らず快眠を誘う様々な工夫ができそうですね。

Point!
エアコンは、様々な工夫をすることにより効果的に使用することができ、省エネに繋がります。例えば、室内に熱がこもらないようカーテン等による日射や外気の遮断、扇風機やサーキュレーターを活用して冷気を循環させることによって、冷房効率を上げることができます。また、冷房の効きを良くするために、フィルターのこまめな掃除をすることも大切です。外気温度31℃のとき、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合、年間14.8kg-CO2の削減になります(使用時間:9時間/日)。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁

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福本 敦子さん
美容コラムニスト

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地球にも人にもやさしい、オーガニックコスメを愛用中。

「オーガニックコスメを選ぶこと。自分も楽しめて、周りにも、地球にもいい影響をもたらすアクションではないかなと考えています。普段使う化粧品をオーガニックコスメに変えると、肌の自然治癒力が高まるのはもちろん、その原料を作る農家さんや、パッケージに配慮している企業を応援することにも繋がります。最近は、日本のオーガニックコスメブランドも増えていて、クオリティも高いのでぜひ注目してみてください。国産の自然原料からなる化粧品で心地いい思いをすれば、自然と資源を大事にする気持ちが生まれますよね。排水など環境への影響を少なくすることにも繋がると考えています」。

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美容コラムニスト。〈コスメキッチン〉に14年間勤務後、独立。SNSで発信するハッシュタグ「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と数多くの反響を呼び、欠品や完売商品も多数ある。

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阿部 卓哉さん
デザインスタジオ CIDER INC.代表

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オフィスから自宅まで、すべての電力を再生可能エネルギーに。

「エコやロハスという言葉を見聞きしはじめたころと異なり、昨今のSDGsの動きは、ブームではなく問題の本質を捉えたものだと感じています。それだけ環境問題が待ったなしの状況なのではないでしょうか。企業やメディアを通して、いまの状況が“人間”一人ひとりに伝わっていって欲しいと切に願っています。自分の場合は、公私ともに関わる3拠点(オフィス、経営している飲食店「終日one」「終日喫茶」「終日フラワー」と自宅)で使用するすべての電力を「みんな電力」の再生可能エネルギーに切り替えました。さらに「みんな電力」から依頼を受けて、弊社で“再エネ”ロゴをデザイン。そのロゴを使用した団扇(もちろんノープラスチック!)を作って、お客さまにも配布しています」。

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デザインスタジオ CIDER INC.代表。また、代々木上原の「終日one」「終日喫茶」「終日フラワー」も運営。

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越智 康貴さん
フローリスト

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フラワーパッケージをプラスチック素材から、生分解性素材へ。

「サステナビリティという言葉が多用されるようになり、自分自身も消費者として、環境保全に対する意識が芽生えてきたと思います。少し乱用されているような印象もありますが、それでも小さなものから大きなものまで、次々とたくさんの取り組みが生まれたらいいな、と考えています。自分が営むフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR」では、使用しているパッケージをプラスチック素材から生分解性素材へと移行中です。また、8月中旬からは、お客さまから回収したダンボールや紙袋(花と引き換えに!)をリユースする企画も開始予定。花屋では包装資材を多く使うので、お客さまに気持ちよくご利用いただけるよう、いろいろな提案をしてみようと日々考えているところです」。

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1989年生まれ。表参道ヒルズでフラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR」を営みながら、花や写真、文章を主軸に様々な表現活動を行っている。

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玉井 菜緒さん
ユナイテッドアローズ サステナビリティ推進部 部長

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生分解しやすい洗剤や、繰り返し使える容器を取り入れる。

「『将来の地球はこの先10年の人間の行動にかかっている』と言われる中、一人ひとりの小さな行動が、大きな変化に繋がる可能性を信じたいと思います。実生活では、キッチン用洗剤や洗濯用洗剤などに、植物性の界面活性剤を使用した生分解しやすいものを選ぶようにしています。また、食べ残しのストックや作り置きには、ラップを使わずガラスや陶器の蓋付き容器を使用。重さはありますが、匂いもつかず、長期間使えるのが利点です。最近読んだ本に、地球環境のための行動は “誰かと人生を分かち合う行動”とあり、“思いやりをもって生きていきましょう。他人にも自分にも、同じように”と締めくくられていたのが印象に残っています。心豊かに、望ましい未来に向かって日々を過ごしていきたいと思います」。

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1999年、〈ユナイテッドアローズ〉に入社。情報システム部門にてコミュニケーションツールの企画・運用を担当した後、2004年より同社の社会・環境活動の推進に従事。同分野に携わって今年で18年目。

「Reduce Shopping Bag Action」のポイントが即日反映に。

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お客さまとともに豊かな森を育てる活動として、ユナイテッドアローズが実施しているのが、「Reduce Shopping Bag Action」。店舗でのお買い物時にショッピングバッグを辞退すると、1回ごとに森林保全団体へ10円が寄付され、あわせてハウスカード会員の方には10ポイントが付与されます。さらに2021年8月11日からは、「サステナポイント」と表示され、即日反映に。一人ひとりの行動が未来を変えていく…その一歩を身近なところからはじめてみませんか。

PROFILE

環境省「環境とファッション」タスクフォース

2020年9月に発足。サステナブルなファッション産業の実現に向け、ファッション産業に関する調査や、企業との連携協議を行っている。 https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

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