ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

ウツワ

2021.05.13 THU.

スタイリスト・福田麻琴さんが指南する衣替えの極意。

リモートワークが推奨され、平日・休日問わずにステイホームを謳われる今、誰しもがライフスタイルの見直しを余儀なくされています。以前よりも室内で過ごすことがぐっと増えたことにより、おうち時間をより充実させたいと考えるのは当然のこと。これまで行き届かなかった部分の掃除をしたり、音楽鑑賞など趣味の環境を整えたり、やりたいことを挙げればきりがないけれど、とはいえついつい後回しにしてしまいがちなことも。その代表とも言える衣替えは、今の時期が絶好のチャンスです。心地よく毎日を暮らすための第一歩として、気負わずにトライできる衣替えの極意を、スタイリスト・福田麻琴さんに指南していただきました。

Photo:Yuco Nakamura
Styling:Makoto Fukuda
Text:Shoko Matsumoto

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洋服のメンテナンスとともに、自分のこころと向き合うきっかけに。

居住空間も服をしまっておけるスペースも限られているので、衣替えは定期的に行い、取り出しやすい位置によく着る洋服を置いておく方が実用的だという福田さん。それに加え、気持ちの面でも風通しの良い効果があるという。「手持ちの服を並べてみると、自分はこの色が好きだったんだなとか、好きだけど意外と着ない服があったりとか、意外な発見があるかもしれません。そして汚れやほつれ、破れなど状態の善し悪しを把握して、断捨離するもメンテナンスするも、その時の自分の気分と向き合うことができるので、衣替えは重要だと思います。これから服を新調するにあたっても、クローゼットの中を把握しておいた方が本当に必要かどうか分かりますよね」。タイミング的には、気候が安定していて気持ちのいい5月、まさに今の時期がおすすめ。「わたしは毎年、一年の締めくくりのつもりで年末に行うんですが、毎度寒くてやる気が起きなくて(笑)。しまってあった服を取り出すと、ふわっとホコリが舞ったりもするでしょう? 窓を全開にしたいけど、いかんせん寒い。なので梅雨に入る前、今の季節が本当にぴったりだと思います。窓を開け放っても風が通って気持ちがいいし、洗濯物をたくさん干してもすぐ乾くし。今年は特に外に出かけられず、家にいる時間も多いと思うので、思いっきり衣替えや掃除をして、気分転換に充てたいですね」

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ニットのケアは無理せず、できるものだけ自分で。

ニットは他の衣類と比べて頻繁な洗濯が必要ではないから、シーズンが終わるころに一度まとめてざっと洗って、少しずつ箱にしまっていくのがいい。ニットは家だと手洗いしないといけないイメージがあるが、品質表示のタグを必ず確認し、可能なものは家庭用洗濯機を利用する。「手洗いなんてしている手間も暇もないので(笑)、家で洗えそうなものは畳んだ状態でジャストサイズくらいのネットに入れて、“おしゃれ着洗いコース”“ドライコース”などメーカーによって呼び名は異なると思いますが、それぞれ選択してやさしく洗います。洗濯槽の回転も少なく、すすぎも弱水流で、脱水も弱めで上がってくるので、型くずれの心配もありません。ただその状態でハンガーにかけてしまうと水分の重みで伸びてしまうので、平置きして干すようにしています。特別繊細な素材を使用していたり、ずっと長く着続けたいと思うものなど、自分でのメンテナンスが難しいと思うものは迷わずクリーニングへ。過去に何枚か、キッズサイズほどに小さく縮んでしまったりして悔しい思いもしたので(笑)、潔くプロに頼るのも大事だと思います」

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また、手でつまんで取ってはその場をやり過ごし、ついつい見て見ないフリをしてしまいがちなのがニットの毛玉。着用時や収納時の摩擦によりできてしまうものなので、それも味だと捉えられればいいけれど、やっぱりきれいに処理できれば、増々愛着もわくというものだ。「ブラシや毛玉取り機、セーター専用の軽石など、毛足の長さや素材、風合いなどによって使い分けられたらベストですね。たとえばモヘアは毛足が長いのが特徴なので、毛玉取り機だと取りすぎてしまう場合も。その場合はブラシや軽石などで状態を確認しながら少しずつ取っていくようにします。次の冬がやってきた時に、くしゃっとしまわれた毛玉だらけのニットを重い腰を上げながら回復させるより、わくわくした気持ちで収納ボックスを開けられるように。それにケアしてしまう方が、衣類も長持ちすると思いますよ」

ニットのお手入れ方法はこちら

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ひと手間かけてあげることが、コートを長く使う秘訣。

基本的にはニットと同じ考え方。次のシーズンに気持ちよく着られるように、起こりうる心配をあらかじめ払拭しておく。日頃の簡単なケアのために、一本常備しておきたいのが洋服ブラシ。生地を傷めないように、天然毛のものがおすすめだ。「ホコリや花粉も落とせるし、毛並も整うのでコートが息を吹き返したように美しくなります。しまう時だけでなく、出かける前や帰宅後などに、衿を立てて上から下へ一方向にさっとブラッシング。そのひと手間で、見た目も気持ちも全然変わってきますよ。黒やネイビーは、特に汚れが目立つので注意したいですね」。衿もとや袖ぐり、裾など、特に清潔感が宿る場所にはピンポイントでクリーニングなどでケアすることも重要だ。

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クローゼットにしまう時は、肩幅に合わせたサイズのハンガーを使用する。シリコンコーディングされているものなら、肩がずり落ちてしまう心配もないので、形はキープされたまま。ハンガーの幅は薄いもののほうがたくさん収納できるが、だからといってぎゅうぎゅうには詰め込みすぎないこと。「コートは一度型くずれしてしまうと、そこから復活させるのが大変なんですよね。わたしがよくやる失敗は、ハンガーにかけた状態でラックの奥に詰め込みすぎてしまうこと。すると気付かないうちに中で衿や裾が折れてしまっていて、変なクセがついてしまうんです。それを自分でスチーマーを当てて地道にクセを取るのか、クリーニングに出すのか…いざ着たいときに着られないというのはストレスにつながります。衣替え自体はもちろんやらないほうが楽は楽かもしれないし、適当に放置しておくこともできるけど、その後のことを考えると、ほんのひと手間が後々の自分自身を助けてくれることになると思いますよ」

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革靴は“形をキープ”が鉄則。

かかとの減りや欠け、革が破れているなどの場合は、気付いたら靴の修理屋へメンテナンスに持っていく。衣替えのタイミングでは、レザーに付着したホコリや汚れをブラシや布で軽く落としてから収納する。「リペアクリームを塗り込んだり、ピカピカに磨き上げるということはなかなか難しいけれど、ホコリや汚れを落とす程度なら、家にあるウエスなどを使えば充分。収納時は型くずれを防ぐために、シューキーパーを使用します。欲を言えば靴と同じブランドのものがいいけれど、難しければベーシックなタイプで、手頃なものを探して。とはいえ、あまりにも形が合わないものを無理に入れておくことは逆効果なので、あくまで形をきれいにキープしておくものと心得て。素材もいろいろあるけれど、シダーウッドなど天然木製だと抗菌・消臭効果も備わっているので一石二鳥です。ブーツの筒の部分には、購入時によく付属でついてくる紙を入れておいてもいいし、新聞紙を丸めて入れておいてもいい。通気性を良くしておくといいですね」

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冬小物は“見せる収納”を意識する。

冬は足もとをあたためてくれたけれど、引き出しに入れておくにはどうにもかさばってしまい、扱いに困る厚手の靴下。そんな時は“しまう”という考えから一転。“見せる”という収納方法に変えてしまう。「靴下やベルト、スカーフ、エコバッグなど、なんとなく小物ごとの種類をわけて、様々な種類のカゴの中に無造作に。ひとつにまとめておくことで次に使う時もひと目でわかりますし、カゴなら通気性もよく、厚手の靴下でも空気が籠りません。持っているのに、引き出しの奥にしまいこんでしまったがゆえに気付かず、同じものを買ってしまう、なんていう経験も、きっとこれで減るはず。カゴならそのまま部屋に出しておいても、インテリアの一部として馴染んでくれます」

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衣替えは楽しみながら取り組んで。

旅行など、外出の機会もめっきりと減ったことで、季節を限定するアイテムというのも少なくなってきた。そうすると、冬小物、アウター類、厚手のニットが衣替えのメインになる。逆にこの3つだけ、と考えれば、衣替えも億劫な作業ではなくなるはず。「面倒くさいと思ったとたんに手を付けられなくなるので(笑)、マイナスのイメージを払拭するのが大事だと思います。天気のいい日に窓を全開にして、ラジオや好きな音楽を聞きながら服を広げてみると、新しいコーディネートのアイデアが浮かんだり、昨年は着なかったアイテムがなぜか素敵に見えたり、買ったことをすっかり忘れていた思わぬ掘り出し物を見つけるかもしれなません(笑)。衣替え=楽しいこと、と思いながら取り組めたら最高ですよね。そこで状態が良くないものや、“これはもう自分には必要ないな”と思うものなどは、ひとに譲ったりリユースにまわしたり、自分の持ち物を見直すという意味でもいい機会です。整理できると、やっぱり気持ちも整うので清々しいんです。気に入ったアイテムを、次のシーズンも気持ちよく着られるように。取り出した時にそのまますぐ着られるという意味でも、軽くでもケアはしてから閉まった方が、結果的に時短につながると思います」

PROFILE

福田麻琴

1998年に文化服装学院を卒業後、アパレル会社勤務を経てスタイリスト森美幸氏に師事。2003年に独立。女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動中の2009年にフランスへ留学。帰国後もスタイリストとして活動を続けながら、パリと東京を行き来している。
@makoto087でおすすめのケアアイテムもご紹介しています。

JP

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