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  • モノ MONO
  • “もったいない”からはじまった、
    もったいないをなくすプロジェクトが始動!
  • 2018.05.07 MONDAY

ボタンの取れてしまったシャツや表面にかすかな傷がついたレザーなど、ちょっとしたことで、店頭には置くことができなくなってしまったアイテム… けれども少し手を加えれば再生できる商品や、そのシーズンのイメージを伝えるためのディスプレイ用の展示品などを販売するプロジェクト「RE : Store & Flea UNITED ARROWS LTD.」が話題を呼んでいます。この活動がどのような思いで生まれ、形となり、現在進んでいるのか。出店時の模様や、店頭から返ってきた商品が集まる倉庫の様子と一緒にお伝えします。

Photo:Takahiro Michinaka
text:Noriko Ohba

どんなモノに出会えるか、その楽しさはまるで宝探し!

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ちょっとしたことで傷がついてしまい、販売できなくなってしまったアイテムは、全国から一か所へと集まってきます。このプロジェクトは、そういった商品が送られてくる“倉庫”から生まれました。

傷物や、B品と呼ばれる商品と接するうちに「これは少し手を加えれば、まだまだ使っていただけるのではないか」「この状態で廃棄されてしまうのはもったいないのではないか」と感じたスタッフの熱い気持ちが原動力となり「それならば、自分たちの手で再生させてみよう」と2016年に画期的な試みがスタートしたのです。

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あらためて倉庫にある商品を一点一点丁寧に確認し、服のボタンをつけ直したり、スカートの縫い目のほころびを直したり、レザーアイテムのわずかな傷を専用のクリームを使って修復したりと、そのアイテムに合ったリペア方法でプロが手作業で再生したものを、お客さまに販売することになりました。

「RE : Store & Flea UNITED ARROWS LTD.」の看板を掲げ、まず最初に出店したのは、東京各地のヴィンテージショップが一堂に会するフリーマーケット「RAW TOKYO」でした。

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「これはボタンが取れてしまったので、このように直しました」や、「ここに実は少し傷があったんですよね」などとお客さまにお伝えすると「えぇ?! 全然わからないですよ」「え? それだけですか…?」や、「このアイテムは実は前から欲しかったアイテムだったんです!」「意外な掘り出しものが見つかりました!」などのうれしいお声を続々といただきました。

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そうしてご購入していただいたお客さまにアンケートをお願いしたところ、環境問題やモノを大切に扱うという取り組み自体に賛同する意見が多数寄せられ、企画したスタッフも初回から「やってよかった!」と手応えを感じたと言います。

それからおよそ一か月後、続いては「赤坂蚤の市 in ARK HILLS 」にも出店。

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前回のリピーターの方や、事前に「RE : Store & Flea UNITED ARROWS LTD.」の出店情報を知ったお客さまが開店前から大勢集まってくださいました。鏡の前で洋服をあててみる方、額縁に入った写真やキャンドルホルダー、ガラスケースなどインテリア商品にねらいを定めて見ている方など、商品は次々とお客さまの手に渡っていきます。

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ここまで反響があるとは思わなかったというプロジェクト担当スタッフ。「アンティークの地球儀を購入されたお客さまからは『これはすごく貴重な品ですよ。古い地球儀だから、実は今はない国も載っています。』と教えていただくなど、お客さまと直接お話する中でさまざまな発見がありました。何があるだろう、どんなモノと出会えるかなと、宝探しに来るような気持ちで楽しんでもらえたらと思います」。


プロジェクトに込められた切なるメッセージ

店頭には並べられない商品が集まってくる大きな倉庫。高い天井、広大な敷地内のセンターには、仕切られた棚ごとに検品を終えた多くのアイテムがずらりと並んでいます。なかには、次回出店される予定のリペア済アイテムのラックも!

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センターには、お客さまから寄せられた修理依頼に対応するチームが常駐しています。お客さまからは、何回も着て穴が空いてしまったけれども、とても気に入っていて再び着たいから直してほしいというような声が多く、今や年間9,000件以上のリペアオーダーに対応しています。このプロジェクトは、同チームのこれまでの知見をもって、傷物品の修理にかかる時間や方法、仕上がりイメージを想定し、リペア作業をスムーズに行う体制を整備しています。

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「現在は修理をして再生することが活動のメインですが、今後、たとえば当プロジェクトに賛同するデザイナーと一緒に商品を新たにつくるという方向にも発展できたらいいですね。マイナスをゼロにするだけではなく、デザイナーによって商品に魅力が加わり、マイナスからプラスへと飛躍できたらさらに可能性は広がります。

本音を言えば…このセンターに商品が返ってこないことがいちばんの理想です。ただ、会社の規模も大きくなり、これだけの量の傷物品を抱える現状があるなかで、“服を大切にするってどういうことだろう”とか、“洋服屋としてできることとは何だろう”という問いに対する自分たちなりの答えがこのプロジェクト。これからも地道にコツコツとこの場所からメッセージを発信し続けていきます」

掘り出し物との出会いを求めて、この一途な思いを感じに一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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