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  • 最近、ペンを持ちましたか? “手で書く”ことのうれしい効用。
  • 2018.02.15 THURSDAY

学校のレポートをまとめる。仕事の書類をつくる。メールを書く。SNSに書き込む。私たちは毎日、さまざまな場面で、“書く”という作業をしています。けれど、そのほとんどはパソコンやスマートフォンを使ってのこと。さらに、今や年に数回の季節の挨拶状でさえ、自宅のプリンターで印刷して終わり、という人も多いのでは。早い。きれい。便利。でも、ときには、“手で書く”ことを意識してやってみては? デジタル時代にこそ提案したい、“手書き”がもたらす効用について考えてみました。

Photo:Takeshi Wakabayashi
Text:Aya Kenmotsu

【手書きの利点その1】
脳に強く働きかけることで記憶にしっかり刻まれる。

アメリカのある大学の研究によると、授業内容をパソコンに打ち込む学生よりも、手書きでノートを取る学生の方が成績がよいという結果が出たそうです。確かに、学生時代、人に借りたノートを見てもさっぱり頭に入ってこなかったことを思い出しても(そんなズボラは筆者だけでしょうか)、自分の手を使って書き記すことが、記憶の深さに関係することは、実感として理解できます。

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まず、頭の中で文章を考え、それを文字にし、手を動かして書き付ける。これだけでもずいぶん脳を使います。パソコンの予測変換に頼ることもなく、自分の頭にある言葉を引っ張り出すという作業も、脳に強く働きかけます。頭を使い、体を動かすということが、記憶を定着させるためには有効なのです。漢字や英単語の書き取りは、地道ではありますが、やはり確実に効果のある勉強法だったのです。


【手書きの利点その2】
考えが整理できて、過去も現在も未来も見えてくる。

日記や家計簿も、手書きのほうがよいと言われています。手で一文字一文字書くことで、文字や数字をよりリアルに認識できるのだそうです。自分のことを、自分の字を通して再確認する。字を書くことが、日々の暮らしと向き合うことにつながってゆくのです。

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きちんとした文章になっていなくても構いません。欲しいもの、食べたいもの、読みたい本、行ってみたい場所、なりたい自分など、明日への目標となることを書けば、それは未来について考えることになるし、嫌だったこと、悲しかったこと、反省していることなどを思うままに書きなぐれば、それは過去を整理することになります。

最近人気の「夢をかなえる手帳」や「アイディアノート」といったものも、手書きによって、物事への意識が高まることを利用した心理術なのでしょう。忙しくて心がザワザワする時ほど、紙に向かって無心に手を動かすとよいのかもしれません。


【手書きの利点その3】
心が伝わる。伝える楽しさがある。

そして、何よりも「心が伝わる」というのが、手書きの最大の効用でしょう。たとえば、誰かに手紙を書くとします。文面を考えて、時間をかけて丁寧に字を書く。それだけでも十分心を込めた手紙になりますが、手紙を受け取って、それを読んでいる相手のことを思い浮かべると、気持ちはさらに深まります。

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「あの人にはどんなレターセットが似合うかな」「季節感のある葉書もいいかも」「ほんのり香りをつけても素敵」と、あれこれと考えをめぐらせるのも楽しい時間です。

書き心地のいいペン、使い心地のいいノート、贈りたくなるカード、書き込みたくなるスケジュール帳。お気に入りのステーショナリーがあれば、手書きがもっと楽しくなります。

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手で書く。まだ文字のなかった時代から人間が続けてきた、そのシンプルな表現方法には、人が心豊かに過ごすためのキーワードが詰まっています。まずは、電車の中で思いついたことをメモに書く、カレンダーに予定を書き込むなど、日々のちょっとしたことから、手書きする習慣をつけてみてはいかがでしょう。思わぬ発見があるかもしれません。

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