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  • ユナイテッドアローズ 横浜店がリニューアル。ヒト、モノ、ウツワはどう変わったのか。
  • 2017.11.16 THURSDAY

11月3日にリニューアルオープンを果たしたユナイテッドアローズ 横浜店。ドレス軸のユナイテッドアローズとカジュアル軸のビューティ&ユース ユナイテッドアローズという二つのレーベルのブランディング強化を目的に店内をセパレートしてきた同店舗ですが、これを機に1つの世界観に統合。両者が融合した今までにない店舗としてスタートを切りました。「派手なリニューアルではないが、実はそこにはとても重要な意味がある」。指揮をとったユナイテッドアローズのクリエイティブ・ディレクター鴨志田康人氏と、ビューティ&ユース ユナイテッドアローズのクリエイティブ・ディレクター松本真哉氏。2人のキーマンにその真相を聞いてみました。

Photo:Kiyotaka Hatanaka[UM]
Text:Jun Namekata[The VOICE]

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ドレスとカジュアルが高い次元で融合された、今までにないショップになったと思う。

ーユナイテッドアローズ 横浜店では、ユナイテッドアローズ(以下、UA)とビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(以下B&Y)を統合して一つの世界観として提案することになりました。まずはこのリニューアルの経緯から教えていただけますか。

鴨志田:そもそも『ユナイテッドアローズ』は一つの事業としてスタートしたわけですが、その後、様々なパートに特化したレーベルが誕生し、枝分かれをしていったわけです。そしてそれぞれの自立を推進していきました。これには企業的な理由もありますが、時代対応という意味合いが強かったと思います。つまり、ショップそれぞれの提案性を強めていく必要があったわけですね。それとは逆に今回UA横浜店を一つの世界観に統合したのは、これが今の時代に合っていると判断したからです。横浜店のようなターミナルにあるショップには多種多様なお客様がいらっしゃいますし、そしてそれぞれがはっきりとご自身の価値観を持っていらっしゃる。であれば無理に世界をセグメントせず、シンプルな一つのウツワとして提案するべきだと判断したのが経緯ですね。

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ー以前までは通路を隔てて、右と左でUAとB&Yがきっぱりとセクションが別れていましたよね。

鴨志田:そうです。同じディレクションの下、トータルで設計し直していくということですね。今の時代、ドレスとカジュアルを互いに磨き上げてきたからこそ、1つの店ならではのライフスタイルにあった新鮮な提案をすべきで、双方をUAらしく高い次元で融合することで、新たな付加価値を提供する。それが目的です。

ーつまり、両者が提案するものを一度ミックスして、横浜店独自に再編集して提案していると。

松本:言い方が悪いですが、我々がレーベルとして『これはドレス軸だね、カジュアル軸だね』と決めてしまっている部分があったんですよね。でもスーツにスニーカーを合わせるお客様はどんどん増えていますし、カジュアルな着こなしにドレッシーなアイテムを合わせるお客様も増えています。価値観がクロスオーバーしているんです。もちろん今まで通り我々はきちんと自分たちの目線と価値観でモノをセレクトして提案しますが、それを分け隔てなくお見せし、最終的なチョイスはお客様に託す、その初めての店舗がUA横浜店なんです。

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リニューアルオープン前の工事期間中は、仮囲い部分に写真やガムテープアートを施すなど、新しい試みも実施された。


ー先ほど鴨志田さんから「時代感」というお話がありましたが、やはりお客様のニーズがそう変化しているということでしょうか。

松本:ご自身でモノを選ぶお客様は本当に増えていると実感しています。もちろん我々は自信を持ってモノをセレクトしていて、スタイリングの提案としても独自性や先駆性を持って臨んでいます。そこに信頼を置いていただいているからこそ私たちのショップに来てくださるのだと思いますが、最後の選択はお客様に委ねられます。お店の在り方=ウツワとして、UA横浜店はそれを前面に出した先駆けとなるショップになりますね。

鴨志田:加えて、今までUAが守ってきたブランドイメージを若返らせようというのが裏テーマ。従来のドレス軸としてのUAは、クラシックでどことなく敷居が高くて、という印象だったと思います。しかし『もうちょっとリラックスして買い物したいよね』という声は確実にある。クオリティの高さは保ちながらリラックスした空気感を再構築する必要性もあったわけです。それもまた今回のリニューアルにおいての重要なポイントかもしれません。

ー今後、すべての店舗がそういった方法に変わっていく可能性はあるのでしょうか。

松本:今のところ〈UA〉〈B&Y〉〈(今回の横浜店のような)総合店〉の3つの軸で展開していこうと考えていますが、具体的な展開は未定です。

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ー今回のリニューアルに際し、ショッパーのデザインも大きく変わりましたね。個人的にはこれにはとても驚きました。こんなに大胆にデザインが変わることって過去にありましたか?

松本:いえ、初めてです。これに関しては僕もかなり緊張しましたね。

ーポイントは?

松本:ロゴ自体を変える必要は全くないので、ここは手を加えていません。ただ僕は“声色”を変えたかったんですよね。キャラクターを変えたと言えばわかりやすいでしょうか。既存のショッパーのデザインは余白を生かしたデザインで、例えていうならば美しくきれいな声で「ユナイテッドアローズ」って言っている感じ。それを今回はもっとはっきりと端的に「ユナイテッドアローズ!」と言っているようなキャラクターに変えたかったんです。

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ーなるほど。まさにそんな印象ですね(笑)。

松本:それに、変な話ですが、捨てやすさという面にもこだわっているんです。今までのものより破きやすいんですよ。

鴨志田:ハンガーも、今までのドレス軸の考え方だと木製の重いものでしたが軽快な印象のものに変更しています。もちろんチープにはならないようにしながら。

松本:全体的に、いい意味でのコンビニエンスを意識したデザインになっていますね。


我々が提案したいのは、スタイリングなんです。

ー買い物もショッパーも、総じて便利になっている。

鴨志田:だから、コンセプトが変わったというより、インフラが変わったといった方が正しいかもしれませんね。

松本:そうですね。例えばUAにもB&Yにもスーツはあり、今までそれぞれ違う場所で陳列してきましたが、今回のリニューアルで、それを横並びで見せることができるようになった。UAとB&Yをミックスすることで、“モノ別”ではなく“用事別”に買い物ができるようになっています。

鴨志田:あるいは、ドレスウエアのすぐ横にカジュアルウエアが並んでいるというのもまた利点。男性も女性もドレスコードは変わってきていて、セットアップスーツにグラフィックTシャツを合わせることなんてもう当たり前。その提案もしやすくなりましたね。結局のところ、UAがお客様に伝えたいことは“スタイリング”なんです。いかに広く、そして深く、時代にあったスタイリング提案ができるか。UAとB&Yの世界をミックスすることでそれは確実に広がっています。

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店内はの区分けは、ウィメンズ、ウィメンズのシューズ&バッグ、メンズカジュアル、メンズスーツ、クロムハーツという分け方に。

ーとなると接客するスタッフの性質も変わってきますね?

松本:はい。全てのスタッフがドレス、カジュアル隔てなく対応するようになります。とはいえ、Tシャツを着たカジュアルなスタッフにスーツの接客をされるのは抵抗があるお客様もいらっしゃると思うんです。そういうことにならないよう、リニューアル以降はスタッフの服装にドレスコードを設けています。そうすることで、ドレスもカジュアルも分け隔てなく、ワードローブをトータルで提案できる接客に近づいたはずです。

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今回のリニューアルに際し設けられたスタッフのドレスコード。男性スタッフは、ネイビーのパンツに革靴、女性スタッフはネイビーやブラックのパンツにヒールが基本となる。

ーUAの指針の一つである “クリエイティブスタイリング”という点において、より濃いショップになるということですね。

鴨志田:その通りだと思います。コンビニエントというキーワードが出ましたが、それはただ使いやすい平均的なショップというわけではなく、多くのお客様の目的にフィットしているということ。スペシャリティは変わりません。

ーUA横浜店が今後のお店づくりの指針となっていくという感触はありますか?

松本:僕たちとしてはスタートラインを引いたという感覚です。これを機にさらなる進化をしなければいけない。ここがそのひとつのモデルとなるショップであることは間違いないですね。

鴨志田:重要なのはカテゴリーや枠組みではなくクオリティです。それさえキープすれば表現方法はいろいろある。その起点として、UA横浜店はお客様にとっても我々にとっても意味のある新しいショップになると思います。

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