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  • 年間約1万3千人。乳がんで亡くなる方を1人でも少なくするために、「ピンクリボン」ができること。
  • 2015.10.01 THURSDAY

2012年には8万1千人が新たに乳がんと診断されており、日本女性の12人に1人が乳がんになるといわれています。乳がんで亡くなってしまう方の数、年間約1万3千人。これが、日本の現状です。ピンクリボン運動が日本で盛んになってから今年で約15年。乳がんで亡くなってしまう方をもっともっと減らすために、「ピンクリボン」運動ができること。私たちができることを、一緒に考えていきましょう。

Photo: Kazumasa Takeuchi (STUH)
Text: Rie Hayashi

ピンクリボン運動が日本で広まり始めてから約15年。現在の状況は?

1980年代にアメリカで発祥した「ピンクリボン運動」。日本では2000年頃から浸透しはじめ、今では東京タワーをはじめとした日本各地のランドマークが、ピンクリボン運動の一環として、ピンク色にライトアップされるようになりました。では、その15年の間で、日本の現状はどう変わったのでしょうか。実際、乳がんや「ピンクリボン」の認知率は年々上昇。15年前にはほとんど認知がなかった「ピンクリボン」という言葉も、約2年前の調査では約99%の方が「知っている」と答えました。しかし、そのような状況下にありながら、乳がんになってしまう方と乳がんによって亡くなってしまう方の数が、年々増え続けているのも事実です。2000年当時では、乳がんになってしまう方が約30人に1人。今はもっと割合が高くなって、約12人に1人。亡くなってしまう方は1年で約1万3千人。なんと交通事故よりも多いのです。


認知率は上がったのに、乳がんで亡くなってしまう人の数が増え続けているのは何故?

日本での「ピンクリボン」の認知率は99%。それなのに何故、乳がんで亡くなってしまう方が増えてしまっているのでしょうか。それは多くの方々が“認知しながらも、乳がん検診に行くという行動に移せていないから”なのです。早期発見と言われる“0期(ゼロ期)”での生存率は95.45%。しかし、発見が遅くなればなるほど生存率はダウン。ついには20%台となってしまいます。乳がん検診は、それを防ぐために、“0期(ゼロ期)”に乳がんを発見するためのものなのです。最近の国民生活基礎調査では、日本の検診受診率はやっと40~50%になってきました。でも、これではまだ足りません。実際に乳がんによる死亡率が下がるような状態になるまでは、少なくとも検診受診率50%越え、できれば70~80%くらいになってこないといけません。これには実は、先進国で前例があります。アメリカは2000年当時、乳がんになる方は、8人に1人くらいの割合でした。しかし、それにも関わらず、乳がんで亡くなる方は減少していました。これは日本に比べ、アメリカの医療が発達しているからではありません。ポイントは、乳がん検診受診率。ピンクリボン運動が功を奏して、その当時の検診受診率が70~80%まで上昇していたからなのです。同時期の日本の検診受診率は、なんと7~8%。10倍もの違いがありました。そして現在も、意識を持っている人が99%なのにも関わらず、50%の人は検診へ行くという行為にまで至っていない。その原因を調査して改善していくことが、いま必要な状況なのです。


実際に乳がん検診へ足を運んでもらうために、ピンクリボンや私たちができること。

検診受診率を上げる唯一の方法は、女性たちが「検診に行かなきゃ」と思う機会を、何度も作り続けること。乳がんの治療に携わる医師達も、病院に来てもらえなければ、どうすることもできません。初めて検診に行った人が、実際に一歩を踏み出したきっかけは、身近な人からの後押しがきっかけになっていることが圧倒的に多いのだそう。ピンクリボンは、そのきっかけ作りになるような様々な工夫をしています。例えば、楽しい家族イベントを主催したり、様々な企業とコラボしたり。UA LTD.のキャンペーンもその一環です。この記事を読んでくれているあなたが、その一歩を踏み出して検診に向かうこと、そして、周りにも検診を薦めてくれること。それが、日本の女性1人1人が実際に行動を起こすようになる、きっかけになることを願っています。そのちょっとしたおせっかいの一言が、誰かの命を助けることになる。そう考えると、誰かに話したくなりませんか?


セルフチェックを習慣にしよう!

まずは、自分で自分の乳房と向き合ってみましょう。以前と変わったところはありませんか? 何か気になることはありませんか?
乳がんは、自分で発見できる唯一のがん。月に1度のセルフチェックと、定期的な乳がん検診が、あなたの命を助けます。

(監修)認定NPO法人乳房健康研究会(https://breastcare.jp/index.html

まず、以下の項目に1つでも心当たりがある方は、今すぐ乳腺科、乳腺外科などの医療機関で診察を受けてください。

・ しこりがある
・ 乳頭から血や分泌物が出る
・ 皮膚の赤いところがある
・ 皮膚、乳首のひきつれ、くぼみがある

今すぐに異変が見当たらない方は、月に1度のセルフチェックを習慣に!

<CHECK 1> よく見る
鏡の前で腕を高く上げてよく見る。
→ ひきつれ、くぼみ、乳輪の変化、乳頭のへこみ、しっしんはありませんか?

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<CHECK 2> しぼる
乳房や乳首をしぼる。
→分泌物は出ませんか?

<CHECK 3> ふれる
左乳房は右手、右乳房は左手で、指をそろえて10円玉大の「の」の字を書くように指を動かす。ふくらみ部分、アンダーバスト、鎖骨、わきの下まで丁寧に。
→しこりや硬い部分はありませんか?

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※あお向けで行う場合は、調べる側の乳房の下に、枕やクッションなどをあて、バスルームで行う場合は、ボディーソープの泡で動きをスムーズに。

セルフチェックで、もし、ひとつでも気になることがあれば、迷わず乳がん検診へ。不安な点は自己解決せずに、すぐに専門の医療者へ相談しましょう。

出典:国立がん研究センター がん情報サービス(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html

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