ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

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  • 北陸初! 注目の“エシカルイベント”をレポート。
  • 2017.02.21 TUESDAY

「金沢をエシカルの聖地にしたい」…そんな想いを実現すべく、金沢工業大学の学生が提案しスタートした、「金沢 エシカル ショッピング プロジェクト」。館内のコーヒーショップやファッション店舗、映画館やブックストアなど多くの店が参加し、ショッピングモールを巡っているだけでさまざまな“エシカルなアイテム”に出合えます。イベントには、エシカル協会代表理事の末吉里花さんも登場。北陸で初めて行われたエシカルイベントの初日をレポートします!

Photo:Kousuke Matsuki
Text:Noriko Ohba

人、自然、未来にアプローチする…“エシカル”とは?

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伝統的な街並が残る「長屋武家屋敷跡」に隣接し、兼六園や金沢城にも近いエリア“香林坊”は、多くのファッションブランドが並び、繁華街としても人気の街。雪のちらつくイベント当日、向かったのは「香林坊東急スクエア」。金沢に暮らす人や観光客がファッションやグルメを楽しむこの場所が今回の会場です。初日、映画館にて上映前に行われたトークショーには、エシカル協会代表理事の末吉里花さんが登壇しました。

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イベントの主宰者であり金沢工業大学講師の平本氏よりさっそく「エシカルとは何でしょう」と尋ねられると、「エコなどに比べると、エシカルはまだまだ馴染みのない言葉ですよね。簡単に説明すると、エシカルであることとは、“人や地球環境、社会、地域に思いやりのあること”と協会では定義しています。

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今や世界が抱えている問題はとても複雑で、地球環境や貧困、エネルギー問題など多岐にわたっています。それらを大きな視点で捉え、行動を起こすのが、エシカルな取り組み。地産地消やフェアトレード、被災地や障がい者への応援消費なども含んだエシカルは、間口が広いので伝わりにくいところもあるのですが、その分、どの人にも共感できる分野があるのが魅力。エシカルを軸にした暮らしやお金の使いかた、生き方を広めるための活動を行っています。


かわいい! 欲しい!を動機にエシカル消費を。

食材を買う、洋服を手に入れる…私たちが日々何気なく行っている消費行動は、世界のどこか、誰かに必ず影響を与えるからこそ、“選ぶ力”を養うことが大切だと末吉さんは言います。「だからといって固く考える必要はまったくありませんよ。エシカルなモノを選ぶ基準は、“かわいい!”や“おしゃれ!”“好き!”そういう気持ちがいちばん大事だと思います。どんなに環境や社会にいいからといって、デザインや機能に不満があるなら手にしても愛着はわきませんよね。デザインにもオリジナリティがあって、背景にはストーリーがあって、機能も優れている。自分が気に入っているからこそ、長く愛用できるのだと思います」

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途上国に限らず、日本のなかの地方都市や街を元気にするのもエシカルの大きな柱。日常のエシカルな買い物が地域の抱えている問題を解決する力になるのです。特に金沢のように、昔から根付く伝統があり、世界にアートを発信するような創造の力が大きな街は、まさにエシカルの聖地としてぴったり。

トークショーでは、イベント期間中に上映される映画『ポバティーインク〜あなたの寄付の不都合な真実〜』についても、語られます。映画は、タイトルにある通り、援助のつもりの寄付が途上国に住む人、地域から大切なものを奪っていたケースを伝えるアフリカなどを舞台にしたドキュメンタリー。

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映画を見た感想を尋ねられると「相手のことを考えたつもりの行為が、結果としてその地域や、そこに暮らす人たちを傷つけてしまっていた例を目の当たりにして、すごくショックでした。ですが、支援自体が悪いわけではなく、私たちは改めてそのやり方を考える必要があると感じました」と末吉さん。

平本さんの「善意から始まった活動に対して、支援される側からの予想外の反応や真実があることを知り、観賞後はもやもやした気持ちになるかもしれません。けれど、真実を知ったうえで、今後自分はどうすべきか?といった重要な問いをもらえる」との言葉も印象的でした。

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エシカルという言葉が、ファッションを通して日本で聞かれるようになってきたのが2011年の東日本大震災以降。その後エシカルファッションは少しずつ広まり、高度な伝統技術を使ったモノづくり、大量生産ではないオリジナリティ、長く使える質の高さなどから、今はおしゃれを楽しむ女性たちからも大きな注目を集めています。さまざまなブランドがエシカルファッションに積極的に取り組むなか、1階にある〈ユナイテッドアローズ 金沢店〉の店舗内にも、「Ethical Fashion Initiative(エシカル・ファッション イニシアチブ)」とコラボレートしたレーベル「TÉGÊ UNITED ARROWS(テゲ ユナイテッドアローズ)」のコーナーが。

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アフリカ文化のクラフツマンシップあふれるアイテムが並びます。現地のつくり手とのコミュニケーションを大切にし、彼らの感性が存分に生かされ完成したTÉGÊの服やバッグやアクセサリー。ふらりと訪れた末吉さんも「色合いや配色も絶妙! 独創的なデザインや触り心地のよさも素敵。おしゃれ心を刺激されますね」と楽しげに手に取っています。

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消費は、ブランドや企業への投票。

9日間にわたるイベントでは、自然派美容アイテムの開発を手がけるフロムファーイースト社長阪口竜也氏や、マラリア対策の活動を世界各地で行う水野達男氏、モデルの鎌田安里紗さんのトークショーなど、エシカルにまつわるコンテンツが盛りだくさん。この日の午後は、書店にて末吉さんの著書『はじめてのエシカル』出版記念としてトークショーが開催されました。対談相手は、ワシントン州に本部を置き世界30カ国で活動を行う国際環境NGO「コンサベーション・インターナショナル(CI)ジャパン」代表の日比保史(ひびやすし)氏。

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新刊本『はじめてのエシカル』は、生活に密着した“エシカル”という考え方や生き方を、データも多く盛り込みながら、女性だけでなく男性にもわかりやすく、ていねいに語られている本。人気テレビ番組「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとしての経験がこの道へ進むきっかけとなった話なども興味深く、読んだあとすぐにエシカルな暮らしを実践したくなります。

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日比氏より「地球環境を守ることが人間のためになる。私たちは主に途上国へ行き、大自然と近いところに住む人たちが、環境を破壊することなく暮らせるようサポートしたり、熱帯雨林を守る活動も行っています」など、ICの活動が語られると、深くうなずく末吉さん。アプローチの方法は異なっても目指す世界は共通。そんなふたりの熱を客席からも感じられるトークショーとなりました。

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「私たちのひとつの行動(消費)が、世界が抱える問題を解決する力になる。自分の大切なお金を使ってモノを買うことは、そのモノを作っている企業や、ブランドに“投票”するのと同じ。消費者の持つその権利を生かし、エシカル消費が広まれば、暮らしはより楽しく、充実したものにするはず」とは、このイベントで繰り返し語られた言葉。これからますます広まっていくエシカルに存分に触れられたイベントとなりました。

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