ヒトとモノとウツワ ユナイテッドアローズが大切にしていること

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  • モノ MONO
  • 寒さをしのぐだけじゃない、アウターとともに刻む冬の記憶。
  • 2016.11.09 WEDNESDAY

肌寒い朝が続いて、ああ、今年も冬がやってくるんだなぁ、と思ったら、そろそろアウターの出番です。ブルゾン、ジャケット、コートといろいろありますが、コーディネートの仕上げとなるアイテムだけあって、どんなアウターを選ぶのかは、そのまま、その人の個性を表現することでもある…と言うと、大げさでしょうか。立ち上る冬の気配を感じる「立冬」に、そんなアウターに関する“モノ語り”をいくつか。

Photo:Takeshi Wakabayashi
Text:Aya Kenmotsu

イギリスの冬によく似合う、世界中で愛される定番コート。

トレンチコートやピーコートが、イギリス軍のユニフォームに由来することはよく知られていますが、寒さをしのぐという意味で、イギリスや北欧の漁師たちにとっても、頼れるワークウェアとして愛用されていました。トレンチコートの大きな衿は戦地での冷たい風を防ぎ、口の広いポケットは、かじかんだ手を温めるつくりに。寒々しい灰色の冬の海をバックに、無造作にピーコートに身を包み、黙々と働く漁師の姿など…かっこいいですよね。防寒着としての高い機能はもちろんですが、イギリスらしい、絶妙な気品を感じさせるデザインは、どんなファッションにもしっくりと馴染む定番アウターとして、世界へと広まっていったのでした。

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真冬でも半袖姿の外国人…実はちゃんとした理由があったのです。

ダウンジャケットにマフラーをグルグル巻いて、さらにグローブも着用しているような冬の日に、半袖のTシャツで街を闊歩する外国人とすれ違った経験はありませんか?生理学のある研究に、北欧のような寒冷地に暮している人たちは、熱を作り出す「脂肪細胞」を多く持っているという結果があります。寒い地域に暮らしている人は、寒さから体を守るために、自ら熱を発生させているというわけです。

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また、体が大きく筋肉量が多ければ、そのぶん、作り出す熱量も多くなります。つまり、大柄でマッチョな寒冷地域の人は、寒い冬でもアウターいらず、ということに。反対に日本人は、高温多湿な気候に順応して、体に熱を溜め込まないようになっています。そのおかげで(?)、秋口から真冬、春先まで、アウターを長い間楽しめる、と考えれば、寒さに弱い日本人の体質も損ではない、そんなふうに思えませんか?


寒くても、寒くなくても、やっぱり冬はアウターを楽しみたい。

それでは逆に、年中暖かで、アウターを着なくても過ごせる土地に住む人たちは、どうなのでしょうか。たとえば沖縄。真冬でも最低気温が10度を下回ることはほとんどないので、軽くはおるものがあれば十分過ごせはするのですが、地元の人にとっては、冬はいつもと違うおしゃれができる貴重な季節。ライトなアウターをはおったり、ブーツを履いたりと、この時期にしかできないファッションを積極的に楽しんでいます。東京で暮らすある沖縄県出身者は、「冬になってコートを着るのが楽しみ」と嬉しそうに話していました。アウターは、おしゃれ心を浮き立たせて寒さも吹き飛ばすほどの、不思議な力を持っているのです。

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一度しかないこの冬を、最愛のアウターと過ごしたい。

冬のアウターは、ワンシーズンに何枚も新調するものではありません。アウターを選ぶ時には、素材はどうか、デザインはどうかと、慎重に吟味したいし、手に入れた後は、できるだけ長く着られるように大切に扱いたいもの。そして、そんなふうに時間と手間をかけたアウターには、自然に愛着が沸いてくるのです。1年、また1年と季節を重ねるごとに、クローゼットの中には、袖を通すだけで幸せな気持ちになれる一生もののコートや、旅先での思い出がたくさん詰まったブルゾン、毎年ヘビーローテーションしてしまう着心地抜群のカーディガンなど、思い入れのあるアウターが並んでいくことでしょう。

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今年の冬は、いったいどんな記憶がアウターに刻まれるのだろう。そう思うと、なんだか寒さが深まっていくのが楽しみになってきます。着る人を暖かく包み込みながら、ともに日々を重ねていく。アウターは、ただ寒さをしのぐ洋服ではなく、私たちにとっての素敵な相棒、なのです。

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